第7回!かずき増田のすべらない話

「ラブレター」

 

この美容師って仕事は、たまに異性のお客さんから好意を持って頂く事がありまして。

 

まあ、おしゃれでカッコ良い男に髪の毛を触られながら「君って本当にかわいいよね〜」なんて言われたらドキッとしてしまうんですかね?

 

一応お断りしておきますが、僕はそんなキャラではありませんし、それに加えてもう40歳のおっさんには縁の無い話ですが(笑)

 

そんなおっさんの僕がまだ20代だった頃の話。

 

ある日、ご新規の若い女性のお客様がご来店され、僕が担当させて頂く事になりました。

 

僕が「本日担当させて頂く増田です。

よろしくお願い致します!」

 

と挨拶すると、お客さんも笑顔で「よろしくお願い致します!」と返してくれました。

 

 

メニューはカットとカラー。

 

カウンセリングをしてヘアスタイルを決め、シャンプーをし、いざカットがスタート。

 

その間、会話が弾みお客さんも楽しそう!

 

そして、カットが終わりお次はカラーリングへ。

 

アシスタントの男の子がヘルプに入って三人で盛り上がり、店内は和気あいあいとした雰囲気。

 

そして、カラーも終わりブローをして仕上げへ。

 

とても綺麗なヘアスタイルになって、お客さんのボルテージも最高潮へ。

 

「また来ますね!

と笑顔で挨拶してくれるお客さん。

 

「またいらしてください!

ありがとうございました!」

とこちらも笑顔でお見送りして、お客さんはお帰りになりました。

 

後日、(あぁ、あのお客さん可愛かったな〜)なんて思っていると、店のポストに一通の手紙が…

 

宛名には「増田一生」と僕の名前

 

裏を見ると差出人は

 

先日のお客さ〜ん!!!

 

少し急ぎながら封を切り、

 

ドキドキしながら中を覗くと一枚の紙が!

 

来た〜!

 

ついに俺にも春が来た〜!

 

「突然のお手紙すいません。

(全然いい!全然かまわない!むしろ手紙なんて突然送るものさ!)

 

先日、増田さんに髪を切ってもらった者です。

(存じ上げております!)

 

あの髪型とても周りに好評で私もすごく気に入りました。

(それはキミが可愛いいからだよ!)

 

あの、突然こんな事言うと変な人だと思われそうですが、

(大丈夫!俺もおんなじ気持ちだから!)

 

この前、増田さんと一緒にカラーを塗ってくれたアシスタントの方を好きになってしまいました。

 

どうしたらお友達になってもらえるでしょうか?

 

今度お伺いした時に間を取り持って頂けたらと思います。

 

よろしくお願い致します。」

 

(知るか〜!!!!!

 

ここをどこだと思ってんだ!

 

そんな浮わついた気持ちで美容室に来るな〜!)